グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム > みずなし・こばなし > ボブスレー

ボブスレー



突然ですが、『クール・ランニング』という映画をご存じでしょうか。


1993年に公開された映画で、実際にカルガリー冬季オリンピックに出場したジャマイカのボブスレー・チームの活躍が、実話をもとにして描かれています。

ジャマイカは中米に位置する国で、キューバやドミニカ共和国の近くです。気候は熱帯で暑く、湿っていますが、内陸部ではやや穏やかな気候になります。他方で、ボブスレーという競技はウィンタースポーツのひとつで、独特の形状とシステムを備えたソリに乗って氷の張ったコースを滑走し、そのタイムを競う競技です。

常夏の国であるジャマイカとウィンタースポーツのボブスレーは、普通は結び付きませんが、ジャマイカにボブスレー・チームがあり、さらにはオリンピックに出場したというのは事実です。


映画のあらすじを紹介しましょう。陸上100メートルでオリンピック出場を目指していた主人公の青年が、不慮のトラブルでその夢を断たれます。そして偶然見かけたボブスレー選手の写真にインスパイアされ、「ボブスレーでオリンピックに出よう!」という奇抜なことを考えます。そこからチームの仲間を募集し、雪がないジャマイカでボブスレーの練習が始まりました(このあたりの風景はコメディタッチで描かれているので結構面白いです)。様々なトラブルに見舞われながらも、予選では基準となるタイムをクリアし本選を迎えます。
第1レースは強豪のスイス代表のやり方を真似ますが、緊張もあいまって失敗してしまいます。そして第2レース。彼らは他のチームの真似をするのではなく、「自分たちのスタイル“クール・ランニング”を貫こう!」と決め、レゲエのリズムでラップを歌いながら入場し、見事に自己ベストの記録をたたき出します。続く第3レースはあえなく失敗し結局メダルには届かなかったのですが、高い壁に挑戦する彼らの姿は、観衆の心を揺さぶり万雷の拍手を巻き起こします。


映画のモデルとなった実際の選手はこんな言葉を残しています。「夢を持って努力を続ければ、誰でもオリンピアンになれるのだということに気づかされました」。いつかジャマイカがボブスレーでメダルを取れると彼らは信じて疑っていません。


なぜ彼らは、オリンピック出場という大きな夢を叶えられたのでしょうか。

最大の理由は「諦めなかったこと」だと私は思います。
周りに馬鹿な夢と嘲笑されようが、「私はできる!」と自らを信じ最後まで意志を貫き続けたこと。それが彼らをオリンピックという大舞台に導いたのでしょう。そして、その強固な意志と頑強な姿勢にこそ、レースの観衆は感動したのでしょう。


さあ、受験生諸君。明日はいよいよ2月1日です。
数年前に中学受験塾の門を叩き、ここまでがんばってきました。その道のりは決して平坦なものではなかったのではないでしょうか。時には、上手くいかなかったり、高くそびえる壁を前に逃げ出したくなったりしたかもしれません。
それでも君たちは、憧れてやまない志望校に合格するという目標を胸に、今日まで歩みを止めずに進んできたのだと思います。
だからこそ、明日からの入試では、自分を信じてほしい。これまでの努力を信じてほしい。どんな結果になろうとも自分はできると信じ続けてほしい。その「自分を信じる気持ち」「最後まで諦めない気持ち」が、君たちを合格へと導いてくれるはずです。


全ての中学受験生の健闘を期待しています。
最後に、モデルとなったまた別の選手の言葉を、エールに代えて受験生諸君に贈ります。

「自分が思っている以上に、周りの人が期待している以上に、あなたはできるのです。」