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「強さ」と「輝き」



ダイヤモンド。天然に存在する物質のうちで最も硬度が高い鉱物。

鉱物の硬さを表す基準のひとつにモース硬度というものがありますが、ダイヤモンドは最も硬い「硬度10」を誇ります。硬度9のサファイアと比べても実に9倍ほど、耐久性が高いと言われています。その硬さゆえに、工業目的として用いられる場合、アスファルトを切る道具や、ガラスを研ぐ砥石として利用されています。
もちろん、宝飾品として用いられる場合もありますよね。ダイヤモンドは硬度が高く、傷や摩耗に強いという性質を持っていることから、「永遠の愛」を象徴する宝石と言われています。その美しい輝きも相俟って、婚約指輪や結婚指輪を装う宝石としてダイヤモンドが選ばれるわけですね。他にも、高い透明度を誇ることから「純粋無垢」というイメージが生まれ、ネガティブな感情を浄化して健やかな精神を保つ効果があると信じられていました。

ダイヤモンドの語源は、古代ギリシャ語までさかのぼります。αδάμας(アダマス)という「征服できない、屈しない」という意味の言葉に由来するのだそうで、日本名の「金剛石」に使われる「金剛」という言葉も、最も硬いものを表したそうですから、昔から人々はその硬さに触れ、様々な願いを託してきたのでしょう。

さて、このダイヤモンド。その正体は炭素です。鉛筆の芯や石炭と同じ物質なんですね。ではなぜ他の炭素のみで構成されている物質より格段に硬いのかというと、炭素原子の結合の仕方が関係してくるそう。ダイヤモンドは炭素原子が規則正しく、しかも理想的な形で結合しているので、このような硬さや美しさが生まれます。

このような理想的な結合は、なかなか簡単にできるものではありません。地球の奥深く、2000度近くの高熱と数万気圧ともいわれる高圧の中でダイヤモンドは生成されます。そのような極限状況に耐えてこそ、炭素原子が美しく結合し「何物にも屈しない強さ」「人の心をとらえてはなさない輝き」が得られるのです。


受験生の皆さん、明日はいよいよ2月1日です。

これまでに、多くの逆境が訪れたことでしょう。思うように解けない難問の数々。なかなか埋まらない志望校と自分の成績との差。心が挫けそうになったのも一度や二度ではなかったかもしれません。
でも、思い出してください。
そのような日々を、皆さんはひとりで闘ってきたわけではありません。志望校合格という同じ目標に向かい、共に高めあってきた仲間。心血を注いで指導にあたった教師。そして何より、ご両親。中学校に足を運んで皆さんのために最高の学校を選んでくれたでしょうし、お弁当を作ってくれたり、過去問をコピーしてくれたりと、皆さんにとって大きな支えになっているはずです。
周りの人たちとのつながりの中で、苦闘の日々を乗り越えてきた皆さんは、受験本番を目前にした今、ダイヤモンドにも負けないような「強さ」と「輝き」を秘めているはずです。

明日から、思い切り輝いてきてください。
全ての受験生の健闘を期待しています。