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コンパニオンプランツ



先日、授業で連作障害について言及する場面がありました。特定の作物を同じ場所で長年栽培していると、肥料などにより土壌の成分バランスが崩れたり病害虫が発生したりすることで、生育が悪くなることを指します。
連作障害を防ぐ方法は、栽培する作物をローテーションさせる輪作など様々あるのですが、そのひとつとして挙げられるのがコンパニオンプランツの活用です。
植物は一種類だけで繁殖することはほとんどなく、何種類かの植物で群落をつくります。当然、植物によって集まりやすい虫は異なるし、引き起こしやすい土壌の障害も様々です。そうした特性を利用して違う種類の野菜を一緒に栽培することで、病害虫の発生を抑えたり生長を助けたりといった良い影響が出る組み合わせをコンパニオンプランツと呼びます。
例えば、トマトとバジルの組み合わせ。バジルには、トマトの根の周囲の水分を適度に保ち品質を向上させる効果と、根の周囲の微生物を多様にして土壌病害を予防する効果が期待できます。料理の際にも組み合わせ抜群ですよね。
他にも、強い光を好むナスと日陰を好むショウガを一緒に植えると病害虫の被害が抑えられたり、オレガノをキュウリの近くに植えると、風味が増したりという効果があるそうです。



この夏より、啓明館ではZoomアプリを用いたオンライン受講を原則廃止しました(新型コロナウィルスに感染したが体調が快復した、或いは濃厚接触者に認定された場合は除きます)。確かに、校舎に来なくとも自宅などで啓明館の授業を受けられるというのはメリットには違いないと思いますが、画面の前で長時間の授業を、しかも一人で受けることは小学生には難しいと判断したためです。
対面の授業に参加し教室に身を置けば、周囲の雰囲気を生々しく感じることができます。ペンの走る音、クラスメイトの息遣い。生き生きした空気の中で、がんばっているのは自分だけではないと思えることが集中力につながり、ひいては学力向上につながるのでしょう。

感染が急拡大を見せた時期には完全オンラインで授業をしていましたが、後に子供たちに何か辛いことはあったかと聞いたら、「周りの子たちが小テストで何点をとったかがわからないこと」と答える生徒がいました。いわく、クラスメイトの点数と自分の点数を比べて、単元の理解度を確認するのだそうです。周りより点数が高ければ、その単元は理解が定着していそうだから違う科目・違う単元の勉強に時間を割ける。他方で、周りより点数が低ければそれは自分にとってニガテな単元だろうから、重点的に勉強しなければならない。
言われてみれば、対面の授業では生徒たちに自分の点数を言わせる場面がありますが、思うように点数を取れなかった生徒は恥ずかしそうにしていることもあるし、高得点が聞こえてくれば教室がどよめくこともしばしば。そんな風にお互いを刺激しあえるのも、集団授業の大きなメリットのひとつかもしれません。

自分以外の他者から影響を受けるというのは、植物の世界も人間の世界もきっと一緒なのでしょう。
「他山の石」という言葉もありますが、自分とは違う性質を持った他人と関わりあうことが成長のきっかけとなるものです。「成績がいいあの子はどんな風に勉強しているんだろう」とか、「周りががんばっているから自分もがんばるんだ」とか、他人の行動に触発されることもあれば、知らず知らずのうちに自分が周りに影響を与えていることもあるかもしれません。そんな風に互いに影響しあうと、今まで以上に力がわき、人間としての“味わい”も大きく広がっていくことでしょう。

大きな夢を持った子どもたちが真剣にぶつかりあい、お互いを高めあって大きく成長していく。啓明館はそのような学びの場でありたいし、そのような雰囲気を作っていきたいと、そう願っています。
今までも、そしてこれからも。