グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム > みずなし・こばなし > キラキラした姿

キラキラした姿



新年度が始まって2か月が経ちました。子どもたちは、新たな学年の生徒として扱われるのを初めはなんだか照れくさそうにしていましたが、それもだんだんと板についてきたように感じられます。

私自身にも大きな変化がありました。それは、この2月から算数の授業も担当するようになったこと。これまでは国語と社会の授業を担当していましたが、そこに算数が加わった形です。もっとも、以前から生徒たちからの質問には答えていたのですが、いよいよ授業となると、やはり勝手が違います。生徒たちはどこに疑問を感じるのか。つまずきやすいポイントはどこなのか。そこを丁寧に教え込むことを意識して授業に入っています。

自分のことを振り返ってみると、算数・数学は大好きでした。自分の求めた数字が論理的にガッチリと噛み合い正答にたどり着くことができたときの快感は、えも言われぬものがあります。高校時分には、数学が好きだからというただその1点で、大学の理系学部への進学を考えたほどです。結局は文系の学部(しかも文学部。理系からは最も遠い学部かもしれませんね)に進学することになりましたが、論理的に考える思考法は算数・数学の学習の中で鍛えられたのだと思います。

先日のある算数の授業でのこと。
そのクラスにチャレンジ問題を解かせてみました。その場で試行錯誤を繰り返す、思考力を要する問題です。
生徒たちは真剣なまなざしで黙々と問題に向かっていました。しかし、なかなか正答にはたどり着けません。少しヒントを出そうとすると、私のヒントをひとことも聞き漏らすまいと鋭い視線をこちらに向けてきました。
そしてついに、ある女子生徒が手を挙げて私に採点を求めました。彼女のノートはたくさんの試行錯誤の跡。見事正解です。大きく丸をつけてあげて「素晴らしい!これ入試問題だよ!!」と褒めると、それはそれは嬉しそうに、満面の笑みで小さく「やった!」と言いました。その得意そうな笑顔は、数週間経った今でも脳裏に焼き付いています。
実はこの生徒、国語や社会の授業ではあまり挙手や発言は見られず、どちらかというと大人しい生徒だとばかり思っていました。算数が得意だというのは知っていましたが、ここまで違う姿を見せてくれるのかと、何だか嬉しくなったのを覚えています。

もちろん、そんなキラキラした姿を見せてくれるのは彼女だけではありません。

問題と格闘する真剣な横顔。

なかなか問題が解けなくて悔しそうな背中。

そして、解けたときのガッツポーズ。

何かに一生懸命になっている姿はみな、何にも負けない輝きを湛えています。子どもたちのそんなキラキラした姿が見られるのも、教師としての醍醐味のひとつなのかもしれません。

だからこそ、生徒たちの得意なものを見つけられるような、そしてそれを更に伸ばせるような教師でありたい。そんな思いで、毎日教壇に立っています。

授業の主役は子どもたちです。今日の授業も、子どもたちのキラキラした姿がたくさん見られますように。