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ブドウができるまで



みなさん、好きな果物は何ですか?

私は青森の出身ですので、もちろん地元名産のリンゴが好きですが、最近のブームはブドウです。

このブドウ、栽培の歴史は非常に古く、紀元前3000年頃のヨーロッパで栽培が始まりました。日本に伝わった時期は明確ではないそうですが、栽培そのものは今から800年ほど前に始まったようです。その後明治時代になると欧米から様々な品種が日本に伝わり、日本人の舌に合うように研究が重ねられました。

ブドウはもともと粒の小さく酸味の強いものが主流だったのですが、大粒のブドウが注目されるようになったのは巨峰の登場からのようです。巨峰は第二次大戦中に研究がすすめられ、昭和30年代の初頭に市場に出回るようになったとか。そして今から10年ほど前にシャインマスカットが登場します。開発したのは名前とは裏腹になんと日本人。1988年に誕生し、2006年に品種として正式に登録されます。それまでのブドウは皮をむき、種を口から出して食べなければなりませんでしたから、種がなく皮ごと食べられるシャインマスカットの登場はいわば「革命」。ここから一気に種なしの品種の需要が高まりました。

この種なしブドウですが、種ができないように薬品を散布した後で、ホルモン処理を施すそうです。ジベレリンという果実の成長を促す植物ホルモンを使用し、まだブドウの房が小さいときに容器に入れたジベレリン液に房を浸していきます。このジベレリン処理はなんと手作業!ひと房ずつ丁寧に浸していく大変さを思うと、頭が下がる思いがします。

それ以外にもブドウの栽培には結構な手間がかかります。冬には寒さからブドウの木を守るために幹にワラを巻き、暖かくなってきたら虫がつかないように木の皮をむき、雨に弱いブドウのため梅雨の前にビニールをはる。そして房ができはじめると摘房といって房の数を制限して少数の房に栄養を集中させる作業があり、その後房の中の粒の数を減らす粒抜きを行って、一粒一粒を丹念に育てていきます。あの甘くてジューシーなブドウが私たちの手元に来るまでには、農家の皆さんのたくさんの努力と大変な手間があるわけです。

ふだん何気なく口にしているブドウですが、一粒一粒に込められた農家の方々の苦労を思い浮かべながら食べると、いつもよりずっと甘く美味しく感じるはずですよ。

水梨