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ホーム > 目黒佳菜の啓明館日記 > ツムギちゃん事件

ツムギちゃん事件



ツムギちゃんの猫ちゃんのジャンパー可愛いね!
ツムギちゃんは自分でクックを履けてさすがだね!
ツムギちゃん、何月うまれでしたっけ?

先日、後悔で夜もなかなか寝付けなくなるほどの「事件」が起きた。
それは息子が通う保育園のクラスメイト、「ツバキちゃん」を私が「ツムギちゃん」と呼び続けてしまったこと…。

送迎の時間が違うので、ツバキちゃんともご両親とも顔を合わせる機会はほとんどない。しかし、以前主人がハロウィンパレードの手伝いをした時に「ツバキちゃんとケンタくんと手を繋いだ」という話と共に写真も見せてもらっていたので、私の中では「知っているクラスメイトグループ」にカテゴライズしてしまっていた。
そんな経緯もあり、お迎えの時間がたまたま一緒になった日に「ツムギちゃん」「ツムギちゃん」と呼びかけながら、お洋服や行動を褒め、さらにはお父さんに「ツムギちゃん」の誕生月まで聞いてしまったのだ。意気揚々と。得意げに。
息子がその際、「ママ、ツムギじゃないよ!ツバキだよ!」なんて教えてくれればよかったのだが、残念ながらまだ「にゅうにゅう、べる(牛乳食べる)」とか「パンマン、しゅき(アンパンマン、好き)」とか、そんな程度の語彙力なのである。

お父さんは何も言わずに笑顔で答えてくれていたし、まだ2歳のツバキちゃんは「この人、私の名前間違えてるんですけど」というところまではおそらく把握できていない。(いや、把握していたけれど、ニコニコしてくれていたのかも…)

夜遅く、主人が帰宅した時に「ハロウィンパレードで手を繋いだって言ってた【ツムギちゃん】と、今日の帰り一緒になったんだ!」と話してみると、「ん?【ツバキちゃん】のこと?」と言われてハッとした。そして頭が真っ白になったのだ。

「名前は子供への最初のプレゼント」とよく言われる。
「この子は一生この名前を背負って生きていくんだ!」というプレッシャー(!?)のもと、大切に大切に考えられた1人1人の名前。 「こんな子に育って欲しい」「大好きな花の名前を入れたい」「字画だけは譲れない」など、お母さんやお父さんの優しい思いやこだわりがたくさんたくさん込められた名前。

私は教師として、生徒の名前を間違えることは絶対にあってはならないと考えている。
生徒に呼び掛ける時はもちろんのこと、メールをお送りする時の名前の表記にも細心の注意を払っている。

だからこそ「ツムギちゃん事件」のあと、「は~やってしまった……」と夜の寝付きが悪くなってしまうほどの精神状態に陥ったのかもしれない。(まわりからは寝付きが悪くなるほどのことではないだろうと笑われるのだが…私にとっては大事件なのである!苦笑!)

新年度が始まり担当するクラスが決まった。毎年春に出している宿題「名前の由来を聞いてくる」を今年も実施していく予定だ。
生徒それぞれの名前に込められた思いを聞くことで、その生徒のことをちょっぴり深く知れる気がするからだ。そして、「しっかりと気持ちを込めて指導していこう!」という思いに改めてなることができるからだ。
また、ただのおせっかいではあるが、親子で名前の話をする時間って、とってもあたたかくて素敵な時間である気がするんだよな。

担当生徒がうまれた時に授けられた名前を理解し、その上で生徒の「今」を少しずつ知っていき、1年を通して信頼関係を築いていきたい。
頑張るぞ、楽しむぞ。

ちなみに「ツムギちゃん事件」が勃発して20日ほどがたったある日、お迎え時にまた「ツバキちゃん」に会うことができた。
心からの謝罪を伝えると、お父さんは「え!?そんな全然気にしないでください~!!ぼくもタイミングを逃して、ツバキであることを言えずすみません~!!ハッハッハッ」と高らかに笑ってくださった。

お父さんに「そう言っていただいて、本当にありがとうございます。申し訳ございませんでした!」と言った後、「ツバキちゃん」の方を向いて「ごめんね!」と伝えた。

でもドキドキしてどうしても「ごめんね、ツバキちゃん!」と名前を言うことができなかった。

今度会った時には自信を持って胸をはって、笑顔で名前を呼び掛けられるといいな。