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ホーム > 塾長 後藤卓也のつぶやき > 親に感謝 自立へ一歩

親に感謝 自立へ一歩



午前中に処理しなければならない業務があって、人気のない校舎で一人仕事をしていたら、地方の全寮制のA校に進学した中学2年生のB男と母親が突然やってきた。定期試験後の里帰り休暇で、「必ずお世話になった塾の先生に挨拶に行くように」と学校から指示されたらしい。直接の教え子ではないが、数年に1人しか進学者がいないA校のようすを聞く絶好の機会だと思い、仕事を放り投げて、話を聞くことにした。
A校の情報を入手できたのも収穫だが、それよりも興味深かったのは、入学直後のエピソードだった。
B男は小学5年時から反抗期が始まり、母親のいうことは全く聞かない。6年時は小学校でも名の知れた問題児で、成績はどん底。第1志望のA校東京入試は試験中に熟睡して不合格。最後に現地入試でようやく合格した「強者」だった。
入学して1週間後、A校から「所持品に不備がある」という連絡があり、母親が宅急便で送ったら、A校の寮監はB男に「ちゃんとお礼の電話をしなさい」と指示した。
電話口でB男は「荷物ちゃんと届きました」と一言言った後、急に泣き声になり、「今まで自分のことばかり考えて好き勝手してきたけれど、ずっとこんなに愛されて、大切に育てられてきたことに気づきました。これまでありがとう」と、ぽろぽろ涙を流した。
「そんなに泣いてないから!」「いや、あのときは絶対に大泣きしていた」「それは受話器が近かったからだ」
私の前で母子は言い争いを始めたが、それもご愛嬌(あいきょう)。その後、母親が電話をかけると必ず「電話ありがとう」といい、帰省すると自分から家の手伝いをするようになったという。しっかりした口調で学校や寮の様子を話すB男に、かつての問題児の面影はなかった。
6年間の長い寮生活。辛いこともたくさんあるだろうが、まずは無事、親離れの第1歩をなし遂げたB男のこれからを応援し続けたい。